大問4の解説でも述べましたが、都立入試の数学は一見いろんな分野からまんべんなく出てるように見えますが、実際にはくせがあってよく出る分野と出ない分野がはっきりしています。
都立入試関数の問題
都立高校入試の数学では、二カ所で関数の問題が出題される可能性があります。一つは、大問1での小問のうちの1題で、これは大問3で一次関数が出題された場合に二次関数が出題されるのが通常です。もう一つは大問3の3題がまるまる関数の問題でこちらは二次関数か一次関数が毎年出題されます。
大問3の問1と問2(①)
過去10年間の大問3を分析すると、一次関数が4回、二次関数が6回出題されていて、出題されなかった方の問題は大問1で出題してバランスが取られていることが分かります。
さらに、二次関数が出題された年を分析すると、問1または問2でy座標の変域が出題されたのが5回、また、問2または問1では二点を通る直線の関数を求める問題が5回と、y座標の変域および二点を通る直線の問題がほぼ毎回出題されているのです。
これらは、関数の問題の中でも基礎の基礎なので確実に正答したい問題です。
大問3の問3(問2②)
一方で、大問3の3問目(問3または問2②)を見てみましょう。こちらは、三角形の面積や面積比が分かっていて、そのように分ける直線や直線と関数の交点Pを求める問題がほぼ毎年出題されています。かなり難しい問題ですが、関数の問題が得意な人ならじっくり問題文を読めば解けなくはないでしょう。
ここで注意して欲しいのは受験生の正答率です。2018年の大問3の問2②の正答率は約8%で、都立入試の数学で難しさからよく注目される大問4の問2②や大問5の問2の半分程度となっています。
これは、大問3の問2②が一番難しかった以上の意味があります。
たんに正答を目指すのではなく時間配分を考えよう
都立入試の数学では通常前の問題から解いていくのが普通なので、数学が得意な人がじっくり時間をかけて大問3問②が解いたとしても、そのせいで大問5や今年の場合比較的簡単だった大問4が解けなかったら大きく点数を落としてしまうからです。
都立入試数学の戦略
都立高校入試の数学では、小問は比較的独立した内容であるので、特に大問3から大問5の最後の問題は後回しにして、まずは各大問の一問目や二問目を確実に合わせ、残った時間で手をつけやすそうな問題から解いていきましょう。